よく訪れるサイトにMagicTrainさんのブログサイトがある。音楽や映画に造形が深い方みたいで,結構楽しんで見ている。その中で「Legend of Xanadu」という曲について書かれた時があった(つい最近だけど…)。中身はご本家のMagicTrainのブログサイトを見てもらえばいいのだが,気になったのが「Xanadu」の読み方。だいたい「X」が先頭ってどう発音しればいいねん???と思ってしまう。途中なら「クス」とか読むが,先頭だと困ってしまう。それも「Xa」だとぱっと見ても読めない…。しかし,実はこの単語「Xanadu」の読み方は知っていた。オリビア・ニュートン・ジョンが歌っていた「Xanadu」という曲(作ったのはELO (Electric Light Orchestra) だったはず…)があるが,そのタイトルの読みは「ザナドゥ」だった。ELOの曲もまあまあ好きだったので覚えていたのだが,いきなり出てくると読めないよなぁ,この「Xanadu」。
じゃあ,今回も普通に「レジェンド・オブ・ザナドゥ」と読んでおしまい,と思ったのだが,この「Legend of Xanadu」という曲(Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tich というグループの曲らしい)が日本で発売された時のタイトルが「キサナドゥーの伝説」というものだったらしい。あれ?ザナドゥとちゃうの??キサナドゥーって最初の「キ」はどこからきたの???もしかして「Xanadu」の読み方を間違えて覚えていた?でも確かに「ザナドゥ」と歌っていたしなぁ…,と悩んでしまった。おまけにMagicTrainさんはその点に関しては全く何も書かれていないし…。
そこでインターネットの世界で調べ物をしてしまいました…。ネット上の意見としては,ドイツ語読みだと「キサナドゥー」になるというのが正しそうな感じだった。そっかぁ,それでキサナドゥーの伝説だったのかぁ,と納得してしまった。ちなみに「英語ではザナドゥとキサナドゥーの両方の読み方がある」というのは間違いらしい。英語ではあくまで「ザナドゥ」と読むらしい。さらに,たどり着いたのがげたにれの“日日是言語学”の中の「ザナドゥ」 から 「ザビエル」 へというエントリー。いやぁ,まじめに言語学をやっている人ってすごいなぁ,と思ってしまった。その中では,この単語は「桃源郷」と訳されたりするが,語源はフビライ・ハーンの夏の都、「上都」(shàngdū [ しゃんドゥー ] )をSamuel Taylor Coleridge (1772~1834) という人が書いた“Kubla Khan, or a Vision in a Dream. A Fragment” (1797年)という詩の中で Xanadu と綴ったから,ということらしい。上都をスペイン人かポルトガル人がヨーロッパに紹介したが,その時代の文字の発音の仕方からXを含んだ綴りとなったが,それが時代や違う国の言葉になった時に微妙に綴りが変わって読み方も変わってきたからザナドゥになった,とのことだった(詳しくは「げたにれの“日日是言語学”」を見てみてほしい)。さらに,面白かったのがその中で出てきた「フランシスコ・ザビエル」の件。いろいろ議論があって,本来は「シャビエル」と発音されていたのでは?と書かれていた。途中,スペイン語やらポルトガル語,フランス語やイタリア語などの例や,中世の発音とか近世の発音とかの議論があって,なかなか面白かったが,ある程度読んでいると疲れてきてしまった。慣れない世界は難しいなぁ…。
「げたにれの“日日是言語学”」には他にも楽しいエントリーがいっぱいあった。日本語の話題(「原因」を「げいいん」と発音してしまうのはなぜか?や,ランドセルの語源がオランダ語の ransel だけど,なぜ「ド」が間に入ったか,など,)も多数あり,楽しめる。しかし,一度にたくさん読むと頭が混乱して疲れるけど…。一度,試しにご覧になってはいかがだろうか?
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