先日,テレビで谷村新司がリチャード・カーペンターとインタビューしていた。さすがにリチャード・カーペンターは年取った感が否めなかった。その番組を見ていて,カレン・カーペンターの訃報を聞いた時を思い出した。
私がカーペンターズを聴き始めたのは Please Mr. Postman が流行っていた頃だと思う。兄に学校で流行っていると言われ,それからカーペンターズを聴き始めた。そして,2枚組のLP版のレコード(確かベスト版だったと思う)をお年玉か何かで買った。単純に Please Mr. Postman がトップだったというのと,レコード買うならLPだと思っていた,というのが理由だった。後者の理由は,親父が買うならLPの方が効率がいいと言っていたからである。あのレコードのお陰でカーペンターズのたくさんの名曲と出会えた。あのアルバムは何度も聞いたなぁ。あれが私の洋楽との出会いでもあった。
その後,カーペンターズのような音楽から興味が移り,Beatles や ABBA にはまり(ABBA はカーペンターズに近いかな?),そこから Deep Purple や Led Zeppelin などに走り,Rolling Stones を聴き,AC DC や Aerosmith を聴いた。Beatles に興味が移った一つの理由は Please Mr. Postman や Ticket to Ride などのカバー曲の存在があった。カバー曲と聞くとどうしてもオリジナルを聞きたくなってしまう。そこで Beatles に興味が移っていった。しかし,後で気づくのだが,Please Mr. Postman は元々はマーヴェレッツの曲で,Beatles もカバー(プロモーションという意味合いもあったみたいだが…)していたので,その点では間違っていたのだが,結局他の Beatles の曲に興味が移っていってしまったのだった。しかし,あくまで私の洋楽,ひいては音楽の原点は Carpenters だった。
そして,あの日,ラジオから訃報が流れてきた。あの時はまだ,音楽といえばラジオという頃だった。そこではカレン・カーペンターが拒食症という病気で亡くなったと言っていた。そして Yesterday Once More がかかった。それって反則ちゃうの?と思ったが,やはり自然に涙がこみ上げてきた。その悲しげな歌詞を連想させる訃報だったから…。
ラジオでカレンの訃報を聞いた時は,久しぶりのカーペンターズの曲だった。今でもそうだが,あの時ラジオから聞こえてくるカレンの歌声はどことなく懐かしく,それを聞いてほっとしている自分がいた。やはりカレンの歌声はすばらしいと感じた。
最初に聞いた女性ボーカルがカレン・カーペンターであり,彼女が女性ボーカルの基準だった。だから,歌手は歌がうまいかシンガーソングライターじゃないと嫌だった。特に歌が下手なアイドルは歌手とは思わなかったし,アイドルの歌は嫌いだった。
なぜ彼女は32歳の若さで死なないといけなかったのだろう?彼女の死で初めて拒食症なる病気があるのを知った。時代の流れやプライベートな事もあったみたいだが,食べれなくなって死んでしまう,というのはにわかには信じられなかった。
皮肉なことに亡くなった事でカレンの歌声は永遠に変わらない。歌手や俳優の方々が年老いてからテレビに出たりするが,あまりの老け具合に驚くこともある。しかし,彼女の場合は若い頃のイメージしか残らない。ジェームス・ディーンやアイルトン・セナのように…。
0 件のコメント :
コメントを投稿