2010年4月19日月曜日

いきなり国道425号線は無謀?

 今シーズンの開幕として,国道425号線の全線走破に挑戦してみた。国道425号線は,大きく分けて4区間になっている。第一が尾鷲〜下北山村の池原ダムまで。第二区間が下北山村〜十津川村の滝まで。第三区間が十津川温泉〜龍神温泉まで。第四区間が龍神温泉〜御坊まで,という感じ。それぞれが40kmほどあり,全区間で200kmほどの紀伊半島随一の山岳国道である。今回は久々に全線走れそうだったので(よく通行止めになっている),久々に全線走破に挑戦してみた。

 2006年に御坊から尾鷲に向かって走ったが,今回は尾鷲から御坊を目指してみた。前日から明け方に掛けて雨だったので,出発は6時半頃だった。おかげでちょっと路面が濡れていたが,徐々に乾きつつある感じだった。国道425号線までは,高速道路と国道42号線を使って,入口の尾鷲まで向かった。

 尾鷲でガソリンを満タンにしてから,国道425号線に挑戦した。まずはクチスボダムを目指す。尾鷲を出るとすぐに山岳地帯に入った。でもこの辺りは舗装がきれいになっていたし,まだ朝一番で元気だったので,余裕で走れた。クチスボダムを過ぎるとしばらく川沿いを走り,途中急なカーブを曲がると登り始めた。そこから八幡トンネルを目指して高度を上げる。下の谷には今きた道が見える。八幡トンネルをすぎるとすぐに奈良県に入る。その辺りに大きな滝が見える。この区間は3度目だが,滝を見るのは初めてだった。理由は,逆向きだと滝が全然見えないから。尾鷲から来ると遠くに滝が見えるが,滝のそばに来ると道からは滝が見えない。おまけに標識も何も無いから,池原ダムから来ると見落としてしまうみたい。滝で写真を撮ってから先に進む。すぐに道は坂本ダムのダム湖沿いに出る。路面はきれいにしてあったので,快適に走れた。坂本ダムまではすぐに着いたが,そこから池原ダムまでが意外と遠かった。やっぱり池原ダムは大きいねぇ。途中,いつくか大きな橋を渡って,延々走ったなぁ,と思った頃に池原ダムの堰堤が見えてきた。池原ダムは純粋に発電用に設計されたみたいで,かつ反対方向に洪水吐きがあるために,堰堤には放水口がない。実は今回Wikiで見るまで,洪水吐きはもう一個の堰堤だと思っていた。さらに,今回はじめて堰堤に放水口がないなぁ,と気づいたのだった。何回も来てるのになぁ…

 池原ダムを過ぎると,少しだけ国道169号線を走ってから,すぐに分岐する。分岐してから高度を上げ,明神池のそばを通って,下北山村役場の方に向かう。役場を過ぎるといよいよ第二山岳区間に入る。まずは川沿いを進み,途中ヘヤピンを曲がってから,ぐんぐん高度を上げて白谷トンネルを目指す。この区間はかなり勾配がきつく,逆向きだと急な下りで,かなりしんどかった記憶がある。しかし,今回は上りのためか,はたまた,まだ疲れてないからか,意外と余裕で白谷トンネル前に着いた。そこで少し休憩したのち,十津川を目指した。次の目標は森林植物公園。よくゴールデンウィークにバイクでこの辺りを走るが,いつも森林植物公園は石楠花祭りをしている。白谷トンネルから森林植物公園までがこの区間の一番の酷道区間。しかし,ここも疲れる前だったみたいで,意外とあっさり終わってしまった。疲れている時にはもっと長く感じたのになぁ… 森林植物公園を過ぎると,瀞峡への分岐があり,急な下りがあってから川沿いに出る。その川沿いをしばらく走ると,十津川村の滝というところで国道168号線に出る。

 滝から国道168号線をしばらく走り,十津川温泉を目指す。滝からしばらくは168号線も狭いが,少し行くといい道になり,快適に十津川温泉に向かう。十津川温泉を過ぎると,すぐに分岐があり,次の第三山岳区間に入る。第三山岳区間は十津川温泉から龍神温泉までであり,一番長い酷道区間となっている。以前逆向きに走った時には,気づいたら山岳区間が終わっていた印象だったのだが,向きが違って,かつ,少し疲れが見え始めていたので,とんでもなく長い道のりに感じた。道は龍神温泉までほぼ全線で一車線(片側一車線じゃなくて,全部で一車線)で,かつ,ほぼ全線でアスファルトは荒れているし,落ち葉や小石が多くて,とても走りにくかった。特に路肩が弱いみたいで,道の谷側が少し凹んでいる部分がやたらと多かった。バイクで道が凹んでいるとバイクがそちらに曲がろうとするので,何度も谷に落とされそうで怖かった。山岳区間を走り出して,当面の目標は奈良県と和歌山県の県境の牛廻越。以前に逆向きで走った時には牛廻越と十津川温泉の間はすぐだった印象なのに,実はかなり距離があった。かつ,川の北側を走る区間が多く,道の左寄りがいつも谷側になっていたので,すごく気を使わなければいけなかった。それでもなんとか牛廻越までたどり着くことができた。折角なので記念撮影しておいた。牛廻越の先はすぐに龍神温泉と思っていたのだが,これまた裏切られた感じだった。牛廻越から先は和歌山県なのだが,奈良県側よりも路面の状態が悪かった。小石や落ち葉がそこらじゅうにあるし,道はバイクと車でも離合できないぐらいほんとの一車線だし,左側に川があったのだが,ガードレールはないし,路肩が凹んでる所が多数あるし…で,とても疲れてしまった。以前はまだ元気なうちにこの区間を走ったから意外と楽に走れるやん,と感じてしまったのかもしれない。それにしても,向きが変わると山側と谷側が逆になって,こんなにも走りにくいとは思わなかった。これから425号線を走る時には西から東に向かって走ろうと思ったのだった。

 龍神温泉まで来たら,後はもう楽チンコースばかりだと安心してしまったのだが,そこがまた落とし穴だった。 2006年に逆向きに走った時の印象では,龍神温泉までの区間の印象は全然残っていなかった。きっと最初の区間ですごく元気で余裕で走れたためだと思うが,今回は最後の区間で,かつ,かなり疲れがではじめていたので,意外と狭い区間が多くて疲れてしまった。龍神温泉からしばらくは二車線(片側一車線)の快走路が続く。川沿いでとても気持ちよく走れる道である。やがて,国道371号線とわかれ,さらに白浜に行く県道と分岐し,最後に国道424号線と分岐する。その424号線との分岐の後からが細かった。この区間はもう改良が終わってると言う印象だったのに,かなりの距離狭い区間があり,それまで170kmほど走ってきた身にはちょっと辛かった。途中ろくに休憩も食事もとらずに走ってきた,というのもあったと思うが… それでもなんとか乗り切って,御坊に着いたら出発からほぼ6時間が経っていた。そりゃ,疲れるわ。

 昼飯でラーメン屋に入ったが,背中の首の後ろの辺りや,足腰がだるくて,昼飯後もしばらくぼけーとしていた。その後,元気なら311号線で熊野まで行って吉野に抜けるか,熊野から42号線で帰ろう,と思っていたが,あまりにしんどかったので御坊から高速に乗ってしまった。折角なので第二京阪道を走ってみたかったしね。おかげで意外と早くまだ明るいうちに帰れました。

多くの写真を撮影したので,全てを見たい人はMatsup's Motorcycleを見てほしい。