2013年9月25日水曜日

温見を越える

 久々にバイクに乗った。 今回は時間が取れ,天気もよかったのでバイクに乗ることにした。 行き先は紀伊半島と北陸で迷ったが,天気予報で南は多少気圧が不安定で夕方雨かも,ということだったので,北陸を走ることにした。 ただし,北陸と言っても,国道157号線(418号線)の温見峠を走ってみたかったので,走りに行った,というのが正しい表現になる。 温見峠と言えば,「温見ストレート」や「洗い越し」,「落ちたら死ぬ」という標識などが有名であり, どんな酷道かを体験したくて走りに行ってみた。

 今回も GNSS/GPS ロガーを持って行った。 しかし,どこも結構受信状態がよかったみたいなので,ログを比較は行っていない。

 出発はいつものように早朝にしようと思ったのだが,眠さに負けて午前6時半を回ってしまっていた。 それでもこんな晴天の日に行かなくてどうする,と自らを奮い立たせて頑張って走りに行った。 予定外だったのが名神高速の八日市インターから彦根インターまでの上り線が通行止めだったこと。 2013/9/16 の台風の際に多賀SA近くで横の崖が崩れたらしい。 結果的に2013/9/21の昼ごろ通行止めは解除されたみたいだが, 朝の時点では通行止めだったので,八日市インターから彦根インターまで下道を走らないといけなかった。 単純には国道307号線を選ぶのだが,こんな時に R307 を走ったらきっとばば混みに違いない,と思って, 適当にナビの地図を見ながら県道を走って彦根インターまで辿り着いた。 実際に彦根インター付近はかなり渋滞していたので,県道を走ったのは正解だったみたい。 彦根インターからは名神,北陸道と走って福井インターまで行き,そこから越前大野に向かい, 越前大野から念願の温見峠を目指して国道157号線を南下した。  国道157号線は,越前大野から温見峠までは真名川にある真名川ダムのそばを通り,その後雲川沿い,温見川沿いと走って行く。 道は多くが改良されており,温見峠まで 10km の地点まではほぼ2車線路(片側1車線)の快走路が続いていた。 温見峠まで 10km の地点からは一車線狭路だったが,比較的路面がきれいだったので言うほど苦労せずに温見峠に辿り着いた。 途中,温見という地名の場所に長めのストレートがあった。 きっとこれが有名な温見ストレートに違いない,と思って多めに写真を撮っておいた。 温見峠近くでコンクリート舗装の箇所がいくつかあり,そのコンクリート舗装がボロボロだった。 それ以外は特に問題なく走れた。

 温見峠は結構人が多かった。 峠に着いた時には,バイクに乗った人が3人,チャリンコの人が5〜6人いた。 さすがに有名な峠だけの事はある。 しかし,思ったほど大した峠という感じはしなかったなぁ…。 時間的にお昼を食べるのにいい時間だったので,SAで買っておいたお寿司を食べておいた。 これは福井側から行った,というのがあるかもしれない。 岐阜側から行くともうちょっと違っていたかもしれない。

 温見峠を過ぎると少しモチベーションが下がってしまった。 やはり一番の目的地が温見峠だったので,峠を過ぎるともう目的を果たした,と感じたからだった。 しかし,温見峠の福井側には,温見ストレートはあったが,洗い越しも「落ちたら死ぬ」の標識も見当たらなかったので, ちょっと拍子抜け,という感じだった。 おまけに狭路区間がとても短かったし…。 しかし,温見峠の岐阜側が実は国道157号線の酷道たる所以だった。

 温見峠から岐阜側の下りはヘアピンが続くつづら折りだったが,道幅が広くて余裕で下ることができた。 その後,道幅が狭い,いわゆる酷道区間が出てきたが,アップダウンがあまりなかったので,こちらも言うほどしんどくはなかった。 しかし,狭路区間になってしばらく走って行くと,そこにいきなり「洗い越し」が出てきた。 その後に遭遇した洗い越しは大抵直前に「この先洗い越し」だから注意,みたいな標識があったが, 福井側から来た最初の洗い越しはその標識がなかった(見えなかっただけかもしれないが…)。 そのためいきなり遭遇した,という感じだった。 洗い越しの感想は,というと「あー,ほんまにあるんやぁ」という感じだった。 構造的には洗い越しの部分だけ少し道にくぼみがあって,水路っぽくしてあった。 今回は結構水量が多めで,意外と足元が濡れるなぁ,という感じだった。 最初の洗い越し通過すると,その後2〜3個の洗い越しに遭遇した。 しかし,その後は「以前は洗い越しだった」けど,今は改良されている場所が数箇所あり,徐々に洗い越しもなくなりつつあるのでは?と感じてしまった。 でも,ちゃんとした洗い越しは初めてだったので,酷道感が感じられてうれしかった。 (完全にマニアの心境ですねぇ…)

 そのままR157を走って行くと,やがて黒津の集落に辿り着いた。 黒津の集落は建物はあるが人気はなかった。 もしかしたらもう廃村になっているのかもしれない感じだった。 その付近から根尾東谷川に抜ける折越林道への分岐があった。 その先が,実は R157 最大の酷道ポイントだった。 そこは根尾黒津から根尾能郷にいたる区間であり,長年通行止めだった。 ちょっと前のツーリングマップルに堂々と通行止め,と記載されるぐらい長期にわたって通行止めだった区間である。 その区間が2012年秋に通行止めが解除になった,というのも今回 R157 を走ろうと思ったキッカケの一つだった。

 黒津〜能郷間は,地図を見ると,道の曲がりぐあいから小さな峠でもあるのかと思えたのだが, 実際に福井側から走ると上りは全然なく,むしろどんどん下っていく感じだった。 しかし道がかなり曲がりくねっているのは,山肌に沿って道を作ったためにクネクネとしているみたいだった。 さらに,最初すぐ下に見えた川が,途中かなり低い位置に見えた。 つまり川がぐんぐん標高を下げているみたいだった。 しかし,道路はゆっくりと高度を下げるために,道と川の高低差がかなりつくみたいだった。 そのため,道が川からかなり高い所を走っている場所があった。 おまけにこの区間の国道157号線は,狭い上に谷側にガードレールがほとんど設置されていなかった。 そりゃあ「落ちたら死ぬ」わなぁ,と思ってしまった。 能郷の集落の直前にゲートがあり,通行止めにできるようにしてあった。 そこにかの有名な「落ちたら死ぬ」の標識があった。 福井側から来たので後回しになったが,岐阜県側から来ると最初に目に入るのだった。

 根尾能郷から先は徐々に改良が進む快適な国道だった。 途中,道の駅「うすずみ桜の里・ねお」で休憩した。 温泉施設に併設された感じだったので,お風呂に入る,という作戦も考えたが,先を考えて今回はパスすることにした。 その後は,名神まで行くのが面倒だったので,峠を越えて北陸道の木之本インターを目指した。 木之本インターまでならほとんど山の中を走るので,信号待ちや渋滞はほとんどない,と思ったからだった。 実際,国道 303 号線は改良も終わり狭路区間がなくなっていたので,あっという間に木之本インターに辿り着いた。 下手に大垣の市街地を通らなくて楽に高速に乗ることができてよかった。

 今回,国道157号線・温見峠区間のポイントとなる「温見ストレート」,「洗い越し」,「落ちたら死ぬ」の全てを見ることができた。 そして,ちょっと意外な感じなのだが,R157 の酷道度を上げているのは主に岐阜県側であり, 福井県側はあまり大したことがない,ということだった。 しかし,全般に温見峠区間はあまり迫力が感じられなかった。 もっとレベルの高い酷道・険道を知ってしまったからだろうか…。 さて,次回はどこを走ろうかなぁ? (もっと写真を見たい人はMatsup's Motorcycle Siteを見てくださいな)

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