2009年11月23日月曜日

三遠南信の旅

 天気はいいという予報だったので,仕事を休んで南信州に走りにいった。気温が低そうだったので紀伊半島に行こうとも悩んだが,折角なので南信州に挑戦してみた。朝と夕方がとても寒くてとても辛かったけど。目的地は,車やバイクで直接行けないという飯田線の小和田駅と,遠山郷から兵越峠(ひょうごしとうげ)を越える,にしてみた。

 小和田駅に行くには,どこかにバイクを止めて電車で行くのがいい。電車に乗る駅の候補としては,小和田駅の北にある伊那小沢駅や中井侍駅,あるいは南にある大嵐駅か水窪駅あたりということになる。地図と時刻表とにらみ合って検討した結果,水窪駅で上りと下りの電車が入れ違うパターンが多いみたいなので,伊那小沢駅から電車に乗って小和田駅に行き,逆向きの電車で引き返す作戦にしてみた。電車の時間は,伊那小沢駅を朝7:00発と10:25発の可能性があったが,あまりに寒かったので,伊那小沢駅10:25発の電車に乗ることにした。その電車で小和田駅まで向かい,帰りは11:06小和田発の天竜峡行きの電車で引き返すと作戦にした。また,今回は寒さ対策として,ユニクロのヒートテックの9分袖シャツとタイツ,靴下を購入してみた。その効果はというと,まあまあ効いていそうだった。しかし,それ以上に寒くて,凍えながら走らないといけなかった。

 出発は午前6時すぎ。往きは東名阪道から伊勢湾岸道,東名高速と走り,豊川インターで下りた。そこから国道151号線を北上し,平谷村にある道の駅・信州新野千石平というところまで走った。気温は高速上では最低5℃だったが,国道151号線の途中にある大和金峠と新野峠の2つの峠ではもっと低かった。温度計の表示は3℃が最低だったが,下手すると0℃だったかもしれない。そうなると路面の凍結が気になって,カーブではスピードを落とさないといけなかった。国道151号線は新城市街で車が多かった以外は走りやすかった。しかし,新野峠の北側の少しの区間だけ道が細く急だった。南側が改良されたよくなっていただけに,差が大きかった。道の駅・信州新野千石平を出てすぐに国道418号線で東に向かい,伊那小沢駅を目指した。そこでバイクを停めて,電車の時間まで伊那小沢駅を見学した。その後予定通りに10:25発の電車に乗り,小和田駅に向かった。小和田駅はさすがに秘境駅と言われるだけのことはある駅だった。なんかすごいところに来た,という感じだった。ダム湖では浚渫作業をしていたが,駅の辺りだけは孤立した感じだった。駅には引込み線と作業場があり,昔は何かの工場だったみたいだった。しかし今は廃屋と廃車が残っているだけだった。小和田駅は「こわだ」と読むが,皇太子の御成婚の際に話題になり,恋人用のベンチのある東屋などもあったが,今となってはむなしい感じしかしなかった。世の中のはやり廃りはなんともやるせないねぇ。

 小和田駅周辺を探索した後,電車で伊那小沢駅まで戻り,次の目的地の中井侍駅に向かった。中井侍駅は小和田駅と伊那小沢駅の間にある。中井侍駅はバイクで行けるが,道は狭い道しかない。川沿いの道か天竜川林道から下る道のどちらかになる。今回は少しだけでも天竜川林道を走ってみたかったので,天竜川林道に行ってみた。道は…,ぼぼ一車線の道だった。でも,川沿いから急に高度を上げるので,眺めはよかった。舗装はまだましな感じだった。ちょっと走るとすぐに中井侍駅に下る分岐に着いた。天竜川林道から下る道はまさに七曲りという道だった。勾配も急だったし。下った先は川沿いに伊那小沢駅から来る道だった。その交差点から駅に向かって下る道があり,交差点から100mほどで駅に着く。駅の前には車がターンできるぐらいのスペースがあり,そのまま駅の端の入口につながっていた。駅はやっぱり小さかった。小和田駅と同じぐらい秘境の駅だった。でも駅のすぐ上に人が住んでいる家がある点が違っていた。中井侍駅からは川沿いに南下し,平神橋を渡った。その道は落ち葉だらけで走りにくかった。平神橋から県道1号線を南下して大嵐駅に向かった。県道1号線は,長野県でも県道1号線だったが,愛知県に入っても同じ県道1号線だった。大嵐駅へは県道1号線から,鷹巣橋を渡った。大嵐駅から南は,旧線が佐久間ダムのダム湖に沈んで,路線が付け替えられたところである。今の大嵐駅はホームが2線あるが,両側をトンネルに挟まれ,ポイントはともにトンネルの中にあった。大嵐駅を見た後で,ついでに旧飯田線のトンネルを再利用した県道の夏焼トンネルも走ってみた。トンネルの先の県道は崩落がひどく,ずっと通行止めになっている区間で,見るべきものは何もなかった。夏焼トンネルは結構下っているみたいで,大嵐駅では結構下の方に見えた湖面が,夏焼トンネルの南ではすぐ近くに見えた。

 大嵐駅から県道1号線を北上して,鶯巣駅,平岡駅を訪れてから,国道418号線で南信濃村の遠山郷を目指した。国道418号線が国道152号線にぶつかる辺りの和田というところに向かった。平成の大合併で今は長野県飯田市南信濃和田という地名になっていた。時間があれば遠山郷から奥に入って,北隣の上村にある山の斜面に張り付いている集落を見たかったが,秋はあっという間に日が暮れるのでやめておいた。遠山郷では,山肉料理が食べれるとのことだったので,ガソリンスタンドでおいしいお店を聞いてみた。そこでは星野屋さんを勧められた。場所は遠山郷の和田の集落のちょっと北寄りだった。メニューではいろいろあり,熊鍋,猪料理,鹿料理が気になった。熊鍋のみ「限定」となっていたが,たまたま前日にツキノワグマが獲れたとのことだったのと,熊だけ食べたことがなかったので,せっかくなので熊鍋にしてみた。熊も猪も猟ができる期間は11月15日から2月15日らしかった。食べたのは熊鍋御膳。熊以外の食材もほとんどが遠山郷で採れたものと聞いた。わかめだけは違うけど,とご主人はのたまっていた…。ごはんにお茶の粉をふりかけてあるのもよかったなぁ。熊の味は意外とよかった。場合によってはゴムを噛んでるような場合もあるらしいが,今回食べたのは柔らかくて,脂がのっていて,かつ濃い山肉の味がしてよかった。

 遠山郷からは国道152号線を南下し,不通区間の青崩峠をさけて兵越峠を越えて水窪に出た。兵越峠は「ひょうごしとうげ」と読むらしい。「ひょうごえとうげ」だと思っていたのだが。兵越峠を越えた先は水窪というところだが,今は浜松市天竜区水窪町となっていた。浜松市でかいなぁ。ここまで来たら折角なので,水窪駅,向市場駅,城西駅,相月駅と見てから佐久間駅と中部天竜駅に向かってから帰ることにした。水窪の少し南の城西には,崩落がひどくてトンネルが作れなかったために,仕方なく作られた対岸に渡らない鉄道橋がある。ほぼ対岸まで行っているのに,また元の岸に戻る鉄道橋である。その鉄橋は第六水窪川橋梁というらしい。この鉄橋は全国的に有名なので,その橋の写真を撮ってから先に進んだ。佐久間駅に着いた時には,まだ夕方の5時前だというのにかなり暗くなり,街灯が点燈していた。中部天竜駅を出る頃には,かなり暗くなってしまっていた。そこから国道152号線で浜松を目指した。途中,天竜二俣辺りから県道45号線を南下して,浜松インターから東名高速に乗った。東名は音羽蒲郡インターを過ぎた辺りから岡崎インターすぎまで渋滞していた。どうやらいつも渋滞するところらしい。その渋滞を抜けて,豊田ジャンクションから伊勢湾岸道,東名阪道と走って帰った。最後はかなり気温が下がり,凍えながら帰った。あまりに寒くて,体中に変に力が入ったみたいで,肩はこるし,背中は痛いし,とても辛かった。やっぱり寒い日に夏場みたいに走ってはいけませんねぇ。

より多くの写真をみたい方はMatsup's Motorcycleを見てやったください。
(追記)次の投稿では日本のチロルに行きたい,と書いておきました。

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