2010年6月1日火曜日

極楽橋に行くのは大変!!

 以前,バイクに乗る時の目標としての滝巡りに疲れてきたから,鉄道の駅訪問と国道(酷道?)走破を新たな企画としてみる,と書いた。実際にこれまで,国道は国道425号線国道371号線のほぼ全線,国道168号線の五條市以南を走り,いっぱい写真も撮った。さらに,紀勢本線の栃原駅から新宮駅,紀伊勝浦駅,古座駅から串本駅までの33駅と,飯田線の中部天竜駅から天竜峡駅までの20駅を訪れた。ある程度,新企画もこなしている,と言えるのではないだろうか?そんなバイクの旅なのだが,鉄道の駅に関して思うところを書こうと思う。

 鉄道駅に関しては,都市部の大きな駅よりも田舎にある駅の方が趣きがあるし,バイクで行くにも都会よりも走りやすいので好んで田舎の駅を訪問している。しかし,田舎の駅は,たどり着こうと思うと意外とバイクでも難しかったりする。例えば,紀勢本線の川添駅。この駅は地図で見ると国道42号線のすぐ近くにあるのがわかる。しかし,実際に行ってみると,これがなかなか辿り着けない。なぜかと言うと,駅の入口は国道42号線には面しておらず,集落の中を走る細い道から同じように細い道に曲がった先にあるからである。とあるサイトの筆者の方は,エッセーの中で「しかし、駅の訪問はできるだけ鉄道を利用して欲しい。」と書かれている。さらに,「列車で訪れると「駅」はより魅力的に映るものだ。それは鉄道で旅する人だけが感じられる“真の喜び”であることに他ならない。」とも書かれている。しかし,私は敢えて異を唱えたい。駅によっては鉄道以外の方法で駅にたどり着くのが如何に大変であり,かつ,辿りつけた時の喜びは鉄道に乗って訪れるのとは同じぐらい,場合によっては鉄道で訪れるとは比べものにならないぐらい大きい時もある,と。例えば,飯田線の秘境駅を訪問すればわかるが,それぞれの駅がどれだけすごい所にあるか,というのを身にしみて感じる。私はバイクで訪問しているが,バイクですら苦労しないと辿り着けない(Uターンに困った,など,たどり着いた後に苦労したところもがある)駅もあった。そのような駅へ行くのは,ルートを見つけるのもそれなりの努力がいる。ツーリングマップルを見て,YahooやGoogleの地図を見て,地図閲覧サービス(ウォッちず)で調べて行かないとたどり着けなかったりする。あるいは,現地で地元の人に場所を訪ねることもある。時刻表とにらめっこし,ひたすら硬いシートに座り続け,有り余る時間を如何に過ごすか,を解決すればたどり着ける鉄道による訪問とは異なる努力や苦労,そして楽しみがある。

 駅によっては,鉄道では時間さえかければ簡単にたどり着けても,車やバイクだとたどり着くのが大変な駅も多い。それが如何に大変なことかはやってみないとわからないだろう。最近訪問した南海高野線の極楽橋駅はその代表のような駅だと思う。極楽橋駅は,高野山に行く南海電鉄の高野線の終着駅である。1日に4~7本ある有料特急の終着駅となっているのでそれなりの規模の駅なのだが,そこから高野山に行くには,ほとんどの人が同じ構内からケーブルカーに乗り換えて高野山駅に向かい,さらにバスに乗って高野山の中心部に向かう。極楽橋駅の改札をでる人は極稀にしかいない。つまり極楽橋駅は乗り換えのために存在している駅なのである。改札は「これが改札?」というほど,狭く質素な入口があるだけであり,改札には券売機は存在しない。近畿の私鉄なので自動改札機はあるが…。極楽橋駅から一番近い集落までは,車やバイクで5分以上かかり,歩いて行くのはためらわれる。また,極楽橋駅はバイクだとどの道を行けばいいのか?から始まる。そして延々と走った最後に「この道で行けるのか?」と悩み,時にはルートミスから方向転換して,さらに違う道を探す,という苦労をしないといけない。それぐらい行くのが大変な駅である。しかし,南海電鉄の特急に乗れば難波から1時間半ほどでたどり着けてしまう。そんな不思議な駅が極楽橋駅なのである。

 私としては,車やバイクで辿り着ける駅(小和田はさすがに片道30~40分の山道なので,時間を考えた末に,徒歩での訪問は諦めて,伊那小沢駅から電車を利用したが…)には,是非一度,車やバイクで訪れてみて欲しい。こんな所に駅があるのか,この駅にはこうやったら辿りつけるのか,と感慨ひとしおの駅が多数ある。今までの中では,紀勢本線の波田須駅,飯田線の千代駅,金野駅,田本駅,中井侍駅,大嵐駅,南海高野線の紀伊細川駅,紀伊神谷駅,極楽橋駅がおすすめ。ただし,どの駅もそれなりの運転技量がないと,車やバイクで訪問するのは困難なので注意が必要である。このブログを読んで行って事故した,と言われても責任は取れないので,あしからず。
 上記の駅に関して具体的に書いておいくと,
・波田須駅は,ツーリングマップルを見ても,どういけば良いかがわからず,
  近くに行っても駅への標識が見つけられなかった。
  また,駅前には細い道しかなく,大型バイクだと転回すら大変だった。
  車だと駅のそばには行けないと思う。
・千代駅,金野駅は,道さえわかれば辿りつけるが,結構細い厳しい道である。
  特に金野駅への道は酷道マニア好みの本格的な狭路で,路面も悪く,
  結構距離もあって,車でもバイクでも苦労する道である。
・田本駅は竜田橋という橋までは車やバイクで行きやすいが,
  橋を渡ってから10分ほど山道を歩かないといけない。
・中井侍駅は,駅にたどり着ける道が狭く,落ち葉満載,見通し悪し,なので,要注意。
・大嵐駅は1.5車線の県道を走れば着くが,かなり距離がある上に,
  カーブが続くのでこれまた注意が必要。
・南海高野線の3駅は駅のそばに行く道が,コンクリート舗装で狭くて,
  急坂だったり,半分ダートだったりするので,少し手前で歩いて行く,
  という選択肢を考慮する方がいいかもしれない。
しかし,いずれの駅も,たどり着いた時には,それなりに感慨ひとしおだった。運転技量がある人は,是非挑戦してみて欲しい。私も牛山さんのサイトで勉強して,新たな駅を訪問したいと考えている。

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