2009年3月16日月曜日

ちょっと古い記事から

1ヶ月ほど前にこんな記事が出ていた。2つあるが,両方とも同じ事故に関する記事である。
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乗鞍高原温泉スキー場>フェンスに激突、小3男児が死亡
毎日新聞
2009年2月9日(月)13時22分配信 毎日新聞
 8日午後0時20分ごろ、長野県松本市安曇の「乗鞍高原温泉スキー場」初心者向けコースで、滑走していた東京都世田谷区xxxx、会社役員、AAAさん(42)の長男で小学3年、BBB君(9)がナイロン製のフェンスに激突した。BBB君は頭などを強打し、死亡した。県警松本署の調べでは、フェンスはコースと林を分けるため、木と木の間に張られていた。事故当時は吹雪で視界が悪く、誤ってフェンスに衝突したとみられる。BBB君は家族らと7日からスキーに来ていた。【渡辺諒】
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msn産経ニュース
スキー2日目の小3男児、転倒してフェンスに衝突、死亡…乗鞍高原温泉スキー場
8日午後0時20分ごろ、長野県松本市安曇の乗鞍高原温泉スキー場で、東京都世田谷区xxxx、会社役員、AAAさん(42)の長男、BBB君(9)=小学3年=がフェンスに衝突した。BBB君はドクターヘリで病院に運ばれたが、胸や首を強く打っており、9日朝に死亡した。BBB君はスキーを始めて2日目だった。ゲレンデの雪は硬めの状態だったという。松本署とスキー場によると、BBB君は初級者向けのコースで転倒し、約5メートル間隔で立てた木柱にネットを張ったフェンス(高さ約2メートル)に衝突、その後に下のすき間を擦り抜けたとみられる。BBB君は家族ら5人で1泊2日で来ていた。
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この記事をみて,何故BBB君は亡くなってしまったのかがよくわからなかった。どうやらコースと林を分けているナイロン製のフェンスに激突したのが原因のようにも読めるが,産経の記事だと「フェンスの下の隙間をすり抜けた」と書いてある。「すり抜けた後」はどうなったのかわからない。フェンスの下をすり抜けて,その後,さらにどこかにぶつかったのだろうか?それともナイロン製のフェンス(意外と硬いのかな?)に衝突したことが原因だろうか?

これに関して,ブログで以下のように書いている人がいた。
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子供が事故死というかわいそうな事件である、ポイントを整理してみた。

1.親の責任
以前に子供の事故死のスレで「子供が死んで一番悲しんでいる親に対して、責任、悪い、とむち打つのはいかがなものか」 というコメントがあった。実にもっともな意見である。それでも子供が死ぬという事件を鑑みると親の責任を問わざるを得ない。通り魔や変質者などによる殺人以外の事故死の多くは結局親の責任でしかないのだ。何もしていないのに、というのであれば何もしないのが悪い。良かれと思ってしたことでも子供にはよくなかったということだ。親にはきつい言い方かもしれないが、子供を育てるというのはこういう批判もあえて受け止めるということでもある。子供と親は一心同体だ。

2.スキー
どんなスポーツでも基礎から学ぶというのは大切なことだ。モータースポーツとスキーは自分の体力と関係なくスピードが出るところが怖い。基本的に初心者は最初の二日間ぐらいはスクールか教えることができる上級者について基礎から学ぶべきである。そんなことをしなくてもだんだんうまくなるものだがこういう事故を防ぐためにも基本は守りたいと思う。20代の頃初心者のかわいい女子とスキーに行ったときボーゲンから教えたのだがあまりにも○×なものでついついストックで足を叩いて「こっちの足に体重を乗せるんだよ」と怒鳴って嫌われた、いやな思い出がある。

3.他人から学ぶという気持ち
せっかく家族で楽しく旅行に来て、体重の移動ができていない、エッジが立っていない、膝が入っていない、ストックを前でついていないなどなど、他人にいわれては面白くないとこの会社役員は思うのだろうな。下手なくせに他人からいわれるのがいやなんだ。その子供は不幸だった。そういう親のもと、自由にしていいと育てられたが、結局死んでしまった。他人から学ぶ、教わるということは大事なことなんだと思った。
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この人の意見があまりにひどいので,ここに書きたくなった。

まずは「1.親の責任」ってとこ。「良かれと思ってしたことでも子供にはよくなかったということだ。親にはきつい言い方かもしれないが、子供を育てるというのはこういう批判もあえて受け止めるということでもある。」とあるが,それじゃあ,親は子供に対して何もさせれなくなってしまう。事故は起こりうるものであり,ある意味避けがたい。ヘルメットをかぶらせる,などできる限りの危険回避策は親として必要だと思う。しかし,この事故で親御さんに重大な過失があったかどうかは,ネットの記事を見てもわからない。過失がなければ親の責任をとやかく言うべきではない。このブログの作者は親に重大な過失があったかどうかについて知りもせずに,事故が起こったから「スキーをさせた親が悪い」と言っているようである。議論の出発点が間違っている。人の責任をとやかく言う前に,自分の書いた文章に対する責任を持つべきじゃないのか?

「2.スキー」というとこ。どうやらこのブログ作者はスキースクールに入れれば,それで事故が一切起きない,と言いたいようである。亡くなってしまったBBB君がスキースクールに入っていたのかどうかの情報をどこかで得たのだろうか?誰にも滑り方について教えてもらってないということをどうして知ったのだろうか?これも「1.」と同じで議論の出発点がおかしい。勝手な思い込みを議論の出発点に据えている。この部分を読んで感じたのが「安全運転をしていたら事故に遭わない」という意見と同じ,ということ。事故に遭遇した人ならわかるが,事故は避けようがない場合がほとんど。気づいたら事故ってた,というのが普通の状況。しかし「事故に遭う人は運転が悪い」という人がいる。その議論と同じだと感じてしまう。上手い人に習ってない,ということを知ったのなら,そのことに関して何か言わないと,議論として成り立たない。
 少なくとも「あまりにも○×なものでついついストックで足を叩いて”こっちの足に体重を乗せるんだよ”と怒鳴って嫌われた、いやな思い出がある。」という人は教えるのがとても下手だ,というのはわかるが。

「3.他人から学ぶという気持ち」というとこ。「他人にいわれては面白くないとこの会社役員は思うのだろうな。」と書いてあるが,そんなことなんであんたにわかるの?何を根拠にそんなことが言えるのか?続けて「下手なくせに他人からいわれるのがいやなんだ。その子供は不幸だった。そういう親のもと、自由にしていいと育てられたが、結局死んでしまった。他人から学ぶ、教わるということは大事なことなんだと思った。」と書いてある。そんなことなんでわかるんや?勝手に決めつけるにもほどがある。何が「教わると言うことは大事なことと思った」や!!あんたこそ誰かから「礼儀」を教わるべきではないのか?ふざけるなっ!

亡くなったお子さんの親御さんはこのブログの作者を訴えるべきだと思う。あまりにふざけている。この投稿を書いていてもむかついてくる。俺が代わりに訴えたいぐらいやっ!!!